プリンターの「スプール中」とは?遭遇した時の対処方法
プリンターで印刷するときにたまに遭遇するのが「スプール中」となって印刷されないトラブル。今回は、スプールとは何か、「スプール中」に遭遇した時にどのように対処すれば良いのかをまとめました。
公開日: 2021.7.21
「スプール」とは何か?
スプールとは、プリントデータを一時保管する領域です。スプールというボタンや機器があるわけではなく、OSやプリンタドライバが一時保存するためのストレージ内のディスク領域をそう呼んでいます。
スプールはプリンターだけに限った領域ではなく、通信などでも使われている技術です。
なぜスプールがある?
プリンターでデータを印刷する際、プリンターは印刷完了をさせないと次のデータを処理ができません。これはプリンター側が「印刷という物理的な並列処理ができない処理をしている」ためで、仕方のないことです。
一方で、プリンターが印刷完了していなくても、PCなどからはプリントデータは送信が可能です。では、データを送信した時にプリンター側が受信できる状態でないと、送ったデータはどうなるでしょうか?送ったのに受信されないのでエラーになってしまい、印刷されなくなってしまいます。
こうしたトラブルを回避するために、スプール機能があるのです。
スプールの仕組み
PCなどからプリンターに印刷指令を出すときは、
- PCが印刷指示を出す
- プリンターがスタンバイなら印刷する
- プリンターが印刷中なら、データをスプール領域に保存する
- プリンターがスタンバイになったら、プリントキューに合わせて次のプリントデータを送る
- プリンターが受信したデータを印刷する
- プリンターがスタンバイになったら、PCはスプールから次の印刷データを送る
という流れになっています。
「スプール中」とはどういう状態か?
OS側がプリント処理を「スプール中」と表示するときは、プリンター側にデータを遅れていないケースがほとんどです。つまり、「プリンター側に何かのトラブルがあったので、スプールに保存しておいているよ」ということです。
基本的には連続した印刷がある場合は全てのデータが「スプール」されるのですが、PCなどで「スプール中」というステータスを見ることはほとんどないため、基本的には何かのトラブルが起こっている可能性が高くなります。
プリンターが「スプール中」で止まってしまった時の対処方法
プリンターが「スプール中」で止まってしまった場合は、PC、プリンターのどちらかに原因があります。
プリンターが原因の場合
プリンターが原因の場合は、原因は大きく分けて二つです。
- プリンターの機能の問題(電源が入っていない、何かのエラーが起こっている)
- PCとの接続の問題(ケーブルが刺さっていない、ケーブル・端子が損傷している)
まずは、PCとプリンターの物理的な接続を確認しましょう。電源は入っているか、USBケーブルがしっかりと刺さっているか、ケーブルは断線していないかをチェックします。しっかり刺さっているのであれば、違うUSBポートに接続してみましょう。
次にプリンター自体のエラーを疑います。
- 電源が入っているか?
- エラーランプ、エラーアラートが表示されていないか?
- インクタンクがついているか?
- プリンターの内部を開いていないか?
などです。
PC側が問題の場合
プリンターに問題がないのであれば、PC側の問題を疑います。
PC側の問題も大きく分けて2つで、
- 接続ポートの故障
- ドライバの不具合
です。
接続ポーツの故障は、そのポートに別の機器を接続してみればわかります。USBメモリや、スマホなどを接続して、PC側で認識すればポートは故障していません。
次に疑うのがプリンタードライバで、OSアップデートなどのタイミングでドライバがアップデートされてしまったり、破損してしまうことが稀にあります。
ドライバが壊れている場合は、ドライバをインストールしなおせば多くのケースでトラブルが解決できます。